数理アート作品集

バクテリアコロニーの成長パターン

バクテリアが繁殖するときの「形」は、培地の栄養量等のパラメータによって変化します。下の式はバクテリアの成長を表す簡易モデル。uがバクテリアの量、vが培地の栄養の量であり、培地の栄養を消費しながらバクテリアが増えることを意味しています。

この式を数値的によって解くと、バクテリアの成長によって作られるパターンを観ることができます。式中の a はバクテリアの死亡率(繁殖のしにくさ)を意味するパラメータであり、この a と、培地の栄養量vの初期値 e の違いによって、出来上がるパターンが異なります。これを図示したのが下です。

a=0.25 0.30 0.35 0.40
e
=
3.0
4.0
5.0

各図をクリックするとパターン形成の過程を動画で見ることができます。緑色が栄養培地、黄色が増えたバクテリア、栄養が消費中の場所は赤で表示しています。

栄養量が増えるほどバクテリアが広範囲に増殖することがわかります。バクテリアがすでに繁殖した場所の周辺は、栄養が枯れているためそれ以上他のバクテリアは繁殖する余地はありません。各バクテリアは栄養が豊富な場所に向かって成長していき、その結果として複雑なパターンが形成されます。

上のパターンは、飢餓状態にあるバクテリアが繁殖しようとした結果生まれました。各バクテリアはなんとか餌を食べようとして利己的に活動したにすぎません。しかしながら全体として出来上がった模様はどことなく秩序だっており美しく感じてしまいます。

上は観賞用。aを0.25に固定し、初期栄養量を2.4~5.0まで小刻みに増やして計算を行った結果にBGMをつけたものです。(※)動画のキャプションでは0.24~0.50となっているがこれは間違い。

面白いのはこれらのパターンに似た形が、たとえば雪の結晶、葉の葉脈など自然界で幅広く見られることです。上のような等方的に枝分れしていくような形は、共通のルールがはたらいて形成されているのかもしれません。

参考

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