数理アート作品集

反応拡散系のパターンダイナミクス

熱帯魚の縞模様や動物の毛皮の斑点など、自然界に現れるパターンの形成原理を説明するモデルとして反応拡散方程式が知られています。

例えば次の反応拡散方程式を数値計算で解くと、下の映像のようにパターンが作られていきます。

F=0.040, k=0.060

このような、なんともいえない有機的な形ができあがります。
パラメータを少し変えると、次のように細胞が自己複製していくような様子を観察できます。

F=0.026, k=0.061

上の動画の自己複製の様子は、まるで細胞が生きているように見えませんか?
さらにパラメータを変えると、次の動画のように増殖した細胞が消滅~生成を繰り返します。

F=0.0235999, k=0.060

消滅~増殖の過程で、しだいに細胞の並びが整列していることに気付きます。細胞達が限られた空間を埋め尽くすのに効率的な並び方を、自律的に調整しているようにも見えます。


次に、上の式は次の動画ような螺旋パターンを形成するモデルとして知られています。

この螺旋パターンは現実にも現れることが知られています。
この式はパラメータを変えると次のようなダイナミクスも生まれます。

映像の中盤から多くの細胞が集団同期的に点滅をはじめる様子は見物です。

反応拡散系はお互いに反応し合う二つ以上の因子が空間的に分布し、拡散を通じてつながるモデルです。拡散には隣接した因子間の濃度差を平滑化させる作用があります。水を入れたコップの中にインクを一滴落とすと、しだいにそのインクは水に溶けて拡がっていき、最後には完全に混じりあった状態に落ち着くことが予想されます。しかし驚くことに、反応拡散系では拡散の作用が逆にインクの濃度差を生み出してしまうのです。その結果として上の動画のような、空間的に非均一なパターンが出現します。

ここに載せたシミュレーションは差分法で行っています。いずれも自由境界条件で解いています。計算自体はとても簡単。恐らく自然界に発生するパターンや現象も、あきれるほど単純なルールによって生まれるのでしょう。

せっかくなので一連の動画を繋げてBGMをつけてみました。

BGMは フリー音楽素材 H/MIX GALLERY を利用(感謝!)

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